建築家との家作りはひとまず終了。このプロセスで思うことやら、住んでからの感想とか、まったく関係ないことまで、色々と連ねてみようかと。過去記事へのコメント/TB、お待ちしてます!
by finzi
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クリエイターズ/世田谷美術館にて
9日の土曜日、砧公園の中にある世田谷美術館に行きました。
世田谷美術館は今年開館20周年。その地道な活動にふさわしい今回の企画展は、
「クリエイターズ - 長大作/細谷巖/矢吹申彦 - まだ見ぬ日常への案内者たち」
というものでした。

長大作氏は今年で85歳となる現役の建築家であり家具デザイナー。
細谷巖氏は数々の広告やパッケージデザインなどをてがけるアートディレクター。
矢吹申彦氏は数々の雑誌の表紙や書籍のカバーを描いているイラストレーター。

それぞれの分野で日本を代表する存在ではありながらも、分野も違い歳も違う一見するとなぜこの組み合わせなのか?と思ってしまうこの場こそが、企画の妙なんでしょう。
タイトルの「クリエイターズ」に込められた思いがわかれば、なるほどと納得できます。

全体として、想像以上に見応えのあるこの展覧会は、ぜひとも実際に足を運んでみていただきたいのですが、会期が9月24日(日)までとあまりありません。
結論からいって、時間がある方は是非訪れていただきたい内容です。と、僕がお勧めしたところで説得力もありませんけどね。

中でも、自分にとってとても印象深いのが長大作さんのものでした。実のところ、自分自身お名前も含めて良くは知りませんでした。しかしながら、展示されている作品そのものはもちろんなのですが、偶然にもご本人にお会いでき、お話をうかがうことができたことで、非常に印象に残るものとなりました。


はじめ展示室に入ったとき、ひとりのなんとなく雰囲気のあるお年を召した方が、知人の方とお話をされていました。一瞬もしかして、と思ったのですが、いや長さんは1921年生まれ、つまりは今年85歳。それにしては雰囲気が若すぎる、と思っていました。ところが、展示の最後にプロフィールと写真がでていてびっくり、やっぱりご本人ではないですか。。

その後しばらくつかず離れずという感じで遠巻きに様子を見ていたのですが(かなり怪しい)、作品でもある椅子に座っていたところ−−そう、多くの作品が実際に座ったりすることができたのです−−にちょうど知人の方と一緒にお見えになり、そこでまたお話をし始めたのでした。

で、そこで図々しくもお話に耳を傾けていたのですが、いつしか周囲に人が集まってきて、さながらギャラリートーク状態となってしまいました。

そんな中で、特に印象に残った言葉。。

「ディテールにこだわらなければいいものはできない。」
「ディテールの積み重ねがデザインである。」
「ひとつのアイディアを色々と他に展開して幅を広げる。」

椅子の足の部分の長さや太さ形を、初めに作成したものからほんのすこしづつ変えて(下手をすれば普通には気がつかない)より使いやすいもの、あるいはより作りやすいものに仕上げて行くのだそうです。「ディテールにこだわらなければいいものはできない」という思いは、納得です。そして、今もなお常にその思いを持ち続けていらっしゃるという謙虚かつ前向きな姿勢に拍手を送りたい!

デザイナーの皆さんは、それぞれに色々なポリシーや信条、こだわりをお持ちだと思います。「デザインとは」、という問いかけに対して、きっと色々な答えが返ってくるでしょう。
そんな中での、長さんのこれらの言葉は、半世紀を超える仕事の中で育まれた極めて重みのあるものだと思います。そんな言葉を直接お聞きすることができて、本当に幸せです。
加えて、とにかく仕事や人生を本当に楽しんでいらっしゃる様が、言葉の端々からものすごく感じ取れました。それがきっと実年齢よりも若く感じられる所以なのでしょう。(失礼ながら足腰もお丈夫そうで、すっと立つ姿は60代くらいにしか見えませんでした)

ちなみに、長さんは坂倉準三建築研究所に長くいらっしゃったとのこと。ここでもまた昨年からの建築展つながり(自分の中での勝手なつながりですが)ができました。




細谷巖さんというお名前もきちんと分かっていなかったのですが、展示されている作品の数々を見て、「ああ、あれもこれもみんなそうなんだ〜」とこれまた軽い興奮状態でした。

例えば、懐かしいところでケンメリのスカイライン。これが分かる人は年齢層が高いかなかなかのツウといえば大げさでしょうか。ケンとメリーのスカイライン。この頃のはかっこいいなあ。
男は黙ってサッポロビールとか、シンビーノとかポカリやカロリーメイトのパッケージデザインとかとか。。

矢吹申彦さんは、和田誠さんに影響を受けた特徴ある絵柄・・マグリッドのような・・が印象的でしたが、一番のポイントは高校の先輩だったこと。失礼いたしました。

とまあ、こんな具合(かなり端折っていますが)で冒頭にも記したように見応え十分な展覧会でした。


※コメントにも書き込んでくださっていますが、ブログ仲間のm-louisさんのおじいさまが神奈川工業高校で教鞭をとられていた時の教え子というのが、細谷巖さんなのだそうです。
そのあたりもう少し詳しい話はm-louisさんのブログへ!

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by finzi | 2006-09-11 22:30 | アート
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