建築家との家作りはひとまず終了。このプロセスで思うことやら、住んでからの感想とか、まったく関係ないことまで、色々と連ねてみようかと。過去記事へのコメント/TB、お待ちしてます!
by finzi
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SENGAI/出光美術館
b0007893_0334071.jpg10月21日の日曜日は、出光美術館で開催中の「没後170周年記念 仙がい・センガイ・SENGAI−禅画に遊ぶ−」展に行ってきました。仙がいさんのことはいままで知りませんでした。ただ、以前見た展覧会のチラシの絵が強烈にツボにハマってしまい、いったいどういう内容なんだろうと興味が湧いたのでした。

出光美術館の創設者である出光佐三氏が初めて手にしたのが、チラシにも使われている仙がいの『指月布袋画賛』だったそうです。それから集めに集めてその数1,000点を超える仙がい作品を蒐集したそうです。そして、病床の中最後に手にしたのも仙がいの作品だったそう。まさに仙がいにはじまり仙がいに終わる、ですね。出光コレクションも出光美術館も、仙がいを抜きには語れない、ということでしょうか。

14日の新・日曜美術館でこの仙がい展が取り上げられていたのですが、色々なエピソードを聞くにつれて、なんて素晴らしくも微笑ましい愛すべき人柄なんだろうと思いました。

「死にとない」

「ほんまに」

というのが最後の言葉だったそうですが、本当なら笑ってしまうような場面ではないはずですが、どうしても微笑まざるをえません。最後の最後まで仙がいさんらしい人柄を偲ばせるエピソードだと思いました。

「世画有法 がい画無法 仏言 法本法無法」
彼の「がい画無法」という言葉(自分の絵に決まった画法はない)は、礎あってのものであることは素人目にもわかります。
法がないのが本当の法であるということですが、何の力もない人が、単なる独りよがりをもっともらしく正当化するようなことでは決してないでしょう。間違いなくきちんとした技術を身につけた人の言葉であるがゆえに、納得性が高いものなのだと思います。

日曜美術館で放送のあとだったこともあり、人の出は多かったと思いますが、黒山の人だかりで見るのも一苦労、というところまではいかなかったのが幸いでした。案外ゆったり見られました。
あとは、ほとんどの作品の前で、(自分も含めた)ほとんどの皆さんがはっきりと笑みを浮かべながら、時に小声で笑い声をあげながらご覧になっていたのがとても印象的でした。
また図録が大人気だったようで、その場では買えず予約して後日郵送ということになっていました。もちろん申し込みましたけどね。

図録はすぐに手にすることができませんでしたが、我慢できずにわがやのたたみルームのために、『指月布袋画賛』の複製掛軸を購入してしまいました。
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以下は余談です。
本当は、先週の日曜日に行こうと思っていたところ、当日の朝にNHKの新・日曜美術館で取り上げられたこともあり、これは早く行かねばとあわてて用意をしていました。
出ようとしたまさにその瞬間に、友だちからメールが来て、割引券があるから今度あげる
といわれて、1週間延期したという経緯がありました。
日曜美術館で取り上げられると、だいたいその後その展覧会はより混んでしまう傾向があるため、早めにとも思ったのですが、200円割引と混むこととを天秤にかけるまでもなく、前者を選択して取りやめたのでした。
でも、放送を見たことで予備知識ができて、より楽しめたということもあるので、やっぱり良かったです。



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by finzi | 2007-10-23 01:00 | アート
高崎へ/ウェグナーに座ろう
10月20日土曜日、群馬県は高崎市に行って参りました。先月告知のエントリーをした「ウェグナーに座ろう」展を見に行くためです。

前日からの雨も深夜のうちに止み、朝から気持ちのよい天気となりました。湘南新宿ラインに乗って一本。高崎までは家からおよそ2時間半の小旅行です。
会場となる高崎哲学堂は、西口をでて徒歩4、5分という近さ。高崎市美術館の裏手にありました。美術館の角を曲がると、少し先に見覚えのある旗がはためいています。デンマークの国旗です。
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一歩足を踏み込むと、そこには高崎哲学堂の建物、すなわちアントニン・レーモンド原設計である高崎の実業家・井上房一郎氏の旧宅がありました。それは静かに、しかし存在感を持って佇んでおり、思わず足を止めさせてしまう力がありました。

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ここが入場口になるのですが、いわずとしれたあの写真と同じ場所です。この場所にたっただけで、「気持ちがいい!」という言葉を発せずにはいられません。
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画像引用元:「ウェグナーに座ろう ブログ」
さて、ウェグナーです。とにかくたくさんの、そして色々な種類のウェグナーの椅子が集まりました。よくこれだけ集まったものですね。そして何より素晴らしいのが、それらのほとんど全てに実際に腰掛けることができるのです。こころゆくまで堪能することができます。

あるテーブルの上に禁止事項を示した×のついたマークがあったのですが、逆に×のないマークも並んでいました。眠そうなカオをしたものもあったのですがこれはもしやと思うと、昼寝OKマークでした。実際、何人もの人が眠り込んでしまったそうです。さすがに、当日は土曜日で人の出も多かったこともあり、一人でひとつの椅子を占有するのは申し訳なく、まして昼寝など気が引けてできませんでしたが。
あの部屋でそれができたら、どんなにか気持ちのよいことだったでしょう。

とにかく、哲学堂の建物とウェグナーがこれほどまでに自然に融合するとは。。
主催メンバーのひとりでもある、デンマークでご一緒したデザイナーの方にうかがっても、同じように驚きだったそうです。もともとウェグナーをはじめとする北欧の家具は、日本の家への親和性は高いと思いますが、今回の舞台とのあまりの相性の良さは、メンバーにとっても期待値を遥かに超えるものだったそうです。
まったく、なんの違和感も無く、はじめからそこにあったかのように。

どんな椅子がどれだけでているか、というのは「ウェグナーに座ろう ブログ」に詳しくでていますので、そちらをご覧ください。

さて、当日は建築家の中村好文さんの講演会もありました。会場は高崎市美術館と同じ建物にある公民館の講義室でしたが、非常に大勢の人が集まって盛況でした。こちらについては後日別にエントリーしたいと思いますが、中村さんのデザインに対する考え方に非常に共感を覚えたということと、爆笑の渦に巻き込まれてしまったとだけご報告しておきます(笑)。

ちなみに、会期初日には家具デザイナーの長大作さんの講演会もあり、そちらも大盛況だったそうです。特に聴衆の多くが非常に若い人たちが多かったというのが主催者側も驚きだったそうです。長さんのお話もうかがいたかったですね。
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建物のひさしの下は、カフェスペースとなっていて、そこにもたくさんのウェグナーが並んでいました。美味しいコーヒーとケーキもまた、このイベントの魅力の一つでしょう。
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カフェのためのキッチンも味わいがあります。今回のイベントのためにかなり頑張って整備しなおしたそうです。中ものぞいて見たかったです。ちなみに、画像だとわかりにくいですが、画面中央手前にある椅子は、ノエミ・レーモンドさんデザインの椅子なんだそうです。
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スタッフの方からは、「暗くなってからも別の趣があっていいですよ」といわれていたので、再度訪れてみました。昼間にもまして落ち着いた雰囲気が、ちょっと暗いくらい照明も相まって、ゆるやかに醸し出されていました。

これほどまでに、いろいろな角度から楽しめる、そしてゆったりとした気分にしてくれる場所は、そうはないでしょう。期間限定というのが本当にもったいないぐらいです。
会期はあと1週間ですが、ぜひ訪れる価値があると思います。

ウェグナーをはじめとする椅子が好きな人にも、レーモンドをはじめとする建築が好きな人にも、おいしいコーヒーが飲みたい人にも、ただまったりとしたい、あるいは癒されたいと思う人にも、どんな人にもおすすめできます。
ぜひ。

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by finzi | 2007-10-21 01:17 | インテリア
アントニン&ノエミ・レーモンド/神奈川県立近代美術館鎌倉
b0007893_23171821.jpg過日エントリーをしていた「建築と暮らしの手作りモダン アントニン&ノエミ・レーモンド」展のために、この日曜日に鎌倉にある神奈川県立近代美術館を訪れました。
さわやかな気候で、ちょっと遠出をするのにふさわしい日でしたが、その分鎌倉の街は人であふれかえっていました。

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鎌倉駅から徒歩10分程、鶴岡八幡宮の境内に目指す美術館はあります。坂倉準三さん設計による建物は、平家池のほとりに落ち着いた佇まいを見せていました。

展覧会は、予想にたがわぬ充実した内容でした。

過日のエントリーでも参照した2007年9月24日の日経新聞の記事にもあったように、「人間としてのレーモンド」「国境を越えた人間どうしの触れ合い」といったテーマにかなったものになっていたと思います。アントニンとノエミの二人が二人三脚のように歩み続けた歴史が良く分かりました。
一方、同じ記事の中で「設計図や模型が並ぶ建築展ではなく」という記述もあったので、そういったものがほとんどないのかと思っていたのですが、やはりそんなことはありませんでした。これは予想が外れました。
むしろ、ノエミさんが描いた透視図や吉村順三さんの手による平面図や透視図などの図面類が充実していたことで、単に図面が並んでいるだけのものではない、という意味で普通の建築展とは違っていたのかもしれません。
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画像引用元:港区立図書館「港区ゆかりの人物データベース」

時代を追って色々な作品が並んでいるわけですが、麻布笄町以前にあった霊南坂の自邸には驚きました。内外装ともに打ち放しの鉄筋コンクリート造という建物ですが、これが大正末〜昭和初めに建てられたものであるというのです。全体としてきわめて幾何学的でモダンな印象ですが、3畳と4畳半のたたみ部屋があり、建物が囲む庭は松の木も植えられた日本風でもあり、それらが違和感無く同居していると感じました。

しかしなんといっても、過日のエントリーでも余談として触れた、「聖アンセルモ目黒教会」ですね。本当にかっこいい!いまは亡きわが母校(教会はちゃんとあります!)。誇りです。図録にもカバー裏の折り返し部分にアンセルモの写真が使われていました。ここに小さな子どもが写っているのですが、幼稚園の園児ですね。いつ頃の写真かはわかりませんが、制服姿が懐かしいです。

そういえば、1976年にアントニン・レーモンドが亡くなった際、ここ聖アンセルモ教会で追悼式が営まれたと年表にありました。まさにこのとき、ここの幼稚園に通っておりました。もちろん、そんな大きなイベントがあったなどということは覚えてもいませんが。。

展示の最後は、レーモンドの教え子であった前川國男さん、吉村順三さん、ジョージ・ナカシマさん、そして増沢洵さんの4人の作品が展示されてました。彼らとの結びつきがあってのレーモンドという意味で、最後の締めにふさわしいものだったと思います。

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神奈川県立近代美術館鎌倉館は、設計の坂倉さんがコルビュジエの弟子であり友人であったということも大いに感じさせる建物だと思います。ピロティと大谷石が支える2階建ての建物は、軽快ですが決して軽薄ではなく、モダニズム建築の世界的な代表例というにふさわしい風格を備えています。
残念ながら、第三展示室が耐震上問題があるということで閉鎖されていました。よい解決策が見つかると良いのですが。


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by finzi | 2007-10-09 00:23 | アート
スカウター : 家作りその他つれづれなく
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