本日、衝撃の事実が・・・
アールデコの装飾美術品全般や、サヴィニャックなどのヴィンテージポスターの専門店である代官山の木屋ギャラリーが、この5月25日で閉店することになったそうです。
5月に入る前後くらいから、お店の前に「SALE」のポスターが貼ってあったりしたを見かけていて、この時期にそんなのやるという印象はないなあと思っていたのですが、そういうことだったかと思いました。
本日、お店から「かくかくしかじかなので、お時間あればお散歩がてらにみにきてください」というお電話をいただきました。1週間後に閉店なんて信じられないと思いつつ、足を運ぶことにしました。
根掘り葉掘りというのも何なので、詳しいお話はうかがいませんでしたが、代表の加藤さんも少し前から色々と思案されていたようで、今回このような結論にいたったようです。
閉店まで時間が短く、限られたスタッフのなかでいろいろとやっていて、バタバタとしている関係上、合間を縫って常連のお客さんなどに電話をして案内しているという状況なんだそうです。
そういう中でわがやにご連絡をいただけたのはすごく嬉しかったのですが、話が話だけにショックの方が大きいです。
今回は事実上最後ということにもなるため、頑張って記念にサヴィニャックのポスターを購入しました。それがこれ。

DOPという石けんの広告ポスターです。子どもがその石けんを使って頭を洗っているのですが、シャワーになっているのが象の鼻というのが秀逸です。子どもの表情とあわせて、全体に愛らしい雰囲気がサヴィニャックらしさを感じさせるものです。1953年の作品ということなので、彼の全盛期で生き生きとした様子が伝わってくるようです。
木屋ギャラリーでは、いままでサヴィニャックをはじめとする本当に様々な作品をたくさん見せていただきました。美術館などと同様に本物に触れるということの大切さを、しかし肩肘をはらずに学ばせてもらった場所といえます。その意味でも、そんな場がなくなってしまうのは、本当に惜しい限りです。

サヴィニャックは、彼が亡くなる2カ月前にこのギャラリーのためのポスター制作を行っているのですが、それだけ親交が深かったということでもあるのでしょう。それ故に本物の素晴らしさを伝えることができたのだとも思います。
今は、まだお店が閉店するということが信じられないという状況で、わがやでも少し困惑している状況です。
とにかく、今までありがとうございましたと、まずは記しておくことにします。